信仰

“私は、私の命が握られているアッラーに誓って、あなた方が信仰を肯定しない限り、天国に入ることはできない。あなた方が互いに愛し合わない限り、信じることはできない。”
(預言者ムハンマド)
 イスラームの歩みは、人が信仰を心に宿したときから始まる。信仰は、アラビア語でイーマーンという。信仰とは、アッラーの存在とその唯一性、天使、啓典、預言者、最後の審判、定命を信じることである。信仰者(アラビア語でムウミン)とは、これらを全て信じ、その信仰を表明し、そして日々の生活で信仰を実践する者を指す。
 信仰、即ちイーマーンとは、あるものを信頼し、恐れから守られた状態を指す。信仰者、即ちムウミンとは、アッラーを信じてあらゆる恐怖から心が守られた状態にある者を意味する。信仰を獲得することで、人生に意味が与えられ、穏やかな心を得ることできるのだ。また信仰は、人に誇りを与え、様々な困難に立ち向かう力をも授けるだろう。
 信仰には、人を悪行から遠ざける力がある。人生から足を踏み外すことや、自堕落な生活などから人間を守る。こうしたことから、信仰を獲得した者は、家族、地域、国、世界において、善を広げて悪を封じる者となり得るのだ。
 イスラームの信仰は、次の要素から成り立つ。すなわち、アッラー、天使、啓典、預言者、来世、定命への信仰である。

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