イエス イスラムの預言者 パンフレット


内容

イスラームの預言者としてのイーサー(イエス) このパンフレットでは、ムスリム(イスラーム教徒)にとってのイエスはいかなる人物かについて説明されています。 特にマリアの処女懐胎によるイエスの誕生の経緯や、預言者として示した数々の奇跡について解説されています。 イスラームにおいてイエスはあくまで一介の人間、神の僕、預言者であり、キリスト教の理解とは異なりイエスは人類の罪を贖うために十字架の刑で死んではいないことが説明されています。

預言者としてのイエス

 ムスリムは、イエス(彼の上に平安あれ)はイスラエルの子らを新たな聖書によって導くために遣わされたアッラー(神)の預言者であると信じています。もとよりアッラーの遣わしたすべての預言者たち、使徒たちを信じることは、イスラムの信仰においては基本中の基本です。ムスリムの聖典であるクルアーンには、次のとおり記されています。「[ムハンマドよ、]言いなさい。『私たちはアッラーと、私たちに下されたものとを信じます。またイブラーヒームと、イスマーイールと、イスハークと、ヤアクーブと、諸々の支族とに下されたものを。またムーサーと、イーサーと、預言者たちとに、主から与えられたものを。私たちは、彼らの間で誰のことも分けへだてはしません。私たちは、御方のムスリムとなります』。」(クルアーン3章84節)
 イスラムにおいて、イエスはムハンマドに先立つ預言者とみなされており、またムスリムたちからは、ムハンマドの到来を予告していたと信じられています。イスラムの教義にしたがうなら、すべての預言者たちが教えていた宗教とは、その最初から一貫して、唯一無二の神に対する平和的な帰依を意味するイスラムでした。
 クルアーンの別の聖句(5章46節)は、イエスが神の御前で、モーセのような以前の預言者たちに従ったことを伝えています。「またわれらはマルヤムの子イーサーを彼らの足跡に続かせて、彼以前の[啓典である]律法の中にあるものを確認させた。また、われらは彼に福音を与えた。その中には導きと、光と、彼以前の律法の中にあるものの確認と、畏れる者への導きと、教示とがある」。(クルアーン5章46節)
 イエスの名はクルアーンに25回登場します。彼はまた、尊敬をこめて「マリアの子」、「救世主」、「アッラーのしもべ」、「アッラーの使徒」といった呼び名で言及されてもいます。「神の言葉」「神の霊」「神のしるし」であるとも説かれており、15の章にわたり敬慕に満ちた多くの言及がなされています。

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